橋本だんじり物語 【橋本だんじり物語】−[お囃子伝承 隅田八幡神社地区]

お囃子伝承 隅田八幡神社地区

橋本各地のお囃子に関するお話あれこれです

隅田八幡神社を中心とした担いだんじりには共通した囃子が伝わっています。
長い担い棒の後端にくくりつけられた太鼓と篠笛が奏でる囃子を聞くと、橋本に秋が来たなあと感じます。

橋本だんじり囃子研究会という団体から平成10年に「橋本の秋祭だんじり囃子」という本が出されました。
主宰する林氏はながらく高校の音楽教師をされており、平成7年から各地区をまわり伝統のお囃子を譜面に採られました。
その研究の成果の一部を、お許しを得てご紹介させていただきます。

お囃子は走り・五つ返し・七つ返し・祇園などのメロディーが地区ごとに下記のとおり伝わっています。
町名をクリックすると練習風景に進みます。音声自動演奏のページがありますのでご注意ください。
さらにそのページにある各町のお囃子名をクリックして聞き比べてみてください。

神社 地区 町名 音声 お囃子の種類
隅田八幡神社 宮本 垂井 音声 走り  祇園  七つ返し  八つ返し
中下   走り  祇園  七つ返し  八つ返し
芋生 音声 走り  祇園(1)(2)(3)  五つ返し  七つ返し
山手 境原 音声あり 走り  祇園  五つ返し  七つ返し  なが
霜草 音声あり 走り  祇園  七つ返し  八つ返し  ぶちこみ
山内   走り  祇園  八つ返し  二つ太鼓
平野 音声あり 走り  祇園  五つ返し  宮坂    獅子舞(親子)
下手 中島 音声 走り  祇園  七つ返し  八つ返し
下兵庫 音声 走り  祇園  七つ返し
河瀬 音声  走り  祇園  五つ返し 
川南 恋野 音声あり 走り  祇園  五つ返し  七つ返し  入れ琴
赤塚 音声あり 走り  祇園  五つ返し  七つ返し  八つ返し
中道   走り  休み(祇園)  五つ返し  七つ返し
隅田八幡神社山車振興会(宝だんじり) 音声あり 走り  祇園  神前奉納囃子 

だんじり練りの際に奏でるお囃子を「走り」と呼びます
出発の時や宮入など特別な場所で奏でる「ぶちこみ」という曲や、宮入の際に坂を担いで上る時だけ奏でる「宮坂」など、特別なメロディーを持つ地区もあります。
「祇園囃子」または「祇園」と呼ばれるのは、休憩時などに奏でられるゆったりとしたメロディーで全地区が持っています。

同じ「祇園」でも地区によって微妙に違ったり、あるいはほとんど違う曲のように聞こえます。
口伝で代々伝えられてきたお囃子が、地区によって進化(変化)して特徴を持つのは当然で、似て非なるのが橋本のお囃子です。
各地区のお囃子を聞き比べてみてください。

奈良県五條市の黒駒には橋本型だんじりが有りますが、やはりそこでもお囃子は「走り、祇園、五つ返し、七つ返し」と同じでした。
橋本型担いだんじりの特徴はだんじりの構造以外に、担い手と息の合うお囃子にもあります。
担いのお囃子は橋本でも五條でも同様でした。
それもそのはず、阪合部地区のお囃子は昭和初期に若者達が、橋本市恋野へ通って習ったものだということです。

奈良県五條市黒駒
御霊神社
地区 町名 音声 お囃子の種類・備考
阪合部 表野  音声あり 走り  祇園  五つ返し 七つ返し
中町  音声あり 走り  祇園  五つ返し 七つ返し
黒駒   情報募集中

太鼓・篠笛というシンプルな構成で奏でられる祭り囃子ですが、追求すると非常に奥深いものがあります。
大半が口伝で継承されるため時代とともに変化(進化)が見られます。

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