【橋本だんじり物語】−[よもやま話]−[橋本型だんじり考察 3] |
和歌山県橋本市と隣接する奈良県五條市の一部にのみ見られる担いだんじり。
だんじりを担いでしまうという他ではあまり見られない祭の形態により独自の発展を遂げたため、その構造や運行方法には興味深い特徴が多くみられます。そこでこれらを「橋本型の特徴」と定義づけて、他との違いや共通点などを研究してみることにします。
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橋本の担いだんじりの彫り物は屋根周り、全体的には山車幕で飾り立てます。宝塚型のように見送り彫刻は無く、大きな後幕で小屋根下を包みます。 (赤塚) |
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後幕は「うしろまく」または「あとまく」と呼ばれ、赤幕と縮緬幕に分かれます。 赤幕を使うのは8地区、芋生・中下・中道・山内・境原・霜草・河瀬・下兵庫 (河瀬) |
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縮緬幕(ちりめんまく)を使うのは5地区 恋野・赤塚・垂井・中島・平野 また橋本市北部の相賀八幡神社宮本である胡麻生も、隅田八幡氏地以外で唯一の橋本型山車で、縮緬幕を使います。 (平野) |
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幕の大きさが比較できます。 左が中幕で山車の幅と屋根の高さに合わせた大きさ。 右の後幕で見送り三方から大屋根下までを包みます。 (下兵庫) |
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前幕(まえまく)の正面には菊と桐の紋が多く見られます。 (境原) |
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しかし、前方へ松と竹を付けて祝儀ビラを吊り下げるため、徐々に前幕は見えにくくなります。 (垂井) |
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飾り付けが終わると、ご覧の通り前幕はほとんど見えません。 (平野) |
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もっと見る機会が無いのが中幕(なかまく) (下兵庫 中幕) |
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普通は周囲を覆われた中幕を目にすることはありません。 虫干しや見学会の機会、あるいは祭準備に山車へ装着されるわずかな一瞬だけです。 スカートの中を覗くような真似をすれば別ですが。 (準備中の恋野 中幕) |
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勾欄幕 波に千鳥の図柄が多く見られます。 欄干幕とも呼ばれます。 (恋野) |
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こちらの勾欄幕は大きく、腰回りまで包み込み土呂幕を兼ねているようです。 (霜草) |
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練りの際に踏まれたりして傷みやすい土呂幕には、染め幕が多く使われます。(芋生) | |
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勾欄幕を用いず土呂幕で勾欄から下を包む場合もあります。 (胡麻生) |
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練りの最中には土呂幕をたくしあげて、おこ(担い棒)の上に押し込んでいます。降ろしている間は足もとを隠す土呂幕も、御練りの最中は邪魔でしかないのでしょう。 (山内) |
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